マルチパスとフェージング
直接波と反射波が合成され、受信位置や周波数によって信号が強め合ったり打ち消し合ったりする様子(定在波のヌル点・周波数選択性フェージング)を可視化します。
2.40 GHz
1.00 m
0.70
0.60 m
波長 λ = c / f
—
位相差 φ
—
合成振幅 |H|
—
受信レベル
—
受信レベルの空間分布(受信機を動かすと定在波状にレベルが上下し、深い谷=ヌル点ができる)
周波数応答 |H(f)|(周波数選択性フェージング:特定の周波数だけ深く落ち込む notch)
送信機から出た電波は、直接届く直接波のほかに、壁や地面で跳ね返った反射波としても受信機に届きます(マルチパス)。
反射波は経路が長いぶん遅れて届き、その位相差 φ = 2π·Δd / λ によって直接波と強め合ったり打ち消し合ったりします。受信信号は
位相が逆(φ = π, 3π, …)になる位置・周波数では信号がほぼ消えるヌル点(深いフェージング)が生じます。スライダーで周波数・経路差・反射の強さ・受信位置を変えて、谷がどこにできるか確かめてみましょう。
反射波は経路が長いぶん遅れて届き、その位相差 φ = 2π·Δd / λ によって直接波と強め合ったり打ち消し合ったりします。受信信号は
H = 1 + Γ·e−jφ の合成で、|H| が受信レベルを決めます。位相が逆(φ = π, 3π, …)になる位置・周波数では信号がほぼ消えるヌル点(深いフェージング)が生じます。スライダーで周波数・経路差・反射の強さ・受信位置を変えて、谷がどこにできるか確かめてみましょう。
いま何が起きている?
ここがポイント
- 合成 = ベクトル和 ── 受信信号は直接波と反射波の複素ベクトル和
H = 1 + Γe−jφ。位相差 φ で長さ(=レベル)が変わる。 - ヌル点(深いフェージング) ── φ が π の奇数倍で逆位相になると打ち消し合い、Γ→1 ではレベルが −∞ dB 近くまで落ちる。
- 周波数選択性 ── φ は周波数 f に比例するので、ある周波数だけ深く落ち込む notch が等間隔(Δf = c/Δd)で現れる。広帯域信号の一部だけが欠ける。
- 移動すると変動する ── 受信位置がλの4分の1ずれるごとにピークと谷が入れ替わる(λの半分で元の状態に戻る)。これが移動体通信の「フェージング」の正体。