拡散とエントロピー増大(不可逆)
仕切りを外すと2色の粒子は自然に混ざる一方、全速度を正確に逆転すれば軌道を戻せる。ミクロな可逆性とマクロな不可逆性の違いを体感します。
箱の左に青、右に赤の粒子を入れて仕切りで分けておきます。仕切りを外すと、粒子はさまざまな向きに動いて自然に混ざり合い、放っておいても元の「きれいに分かれた状態」へ戻ることはまずありません。これが拡散のマクロな不可逆性です。
箱を左右の小部屋(セル)に分けて、各セルの青の割合 p(赤は 1−p)から、セルごとの混合エントロピー
このモデルの自由運動と弾性壁反射は時間反転対称です。「⏮ 時間を巻き戻す」で全粒子の速度を正確に逆転すると、同じ歩数をたどって分離状態へ戻ることも確かめましょう。
箱を左右の小部屋(セル)に分けて、各セルの青の割合 p(赤は 1−p)から、セルごとの混合エントロピー
H = −(p ln p + (1−p) ln(1−p)) を求め、その平均をエントロピー S とします。S は細かく揺らぎながら、混合とともに大きくなる傾向を示します。このモデルの自由運動と弾性壁反射は時間反転対称です。「⏮ 時間を巻き戻す」で全粒子の速度を正確に逆転すると、同じ歩数をたどって分離状態へ戻ることも確かめましょう。
120
1.4
6
状態
—
経過ステップ
—
エントロピー S
—
混合度 S / S最大
—
粒子の箱(青:左由来 / 赤:右由来)
エントロピー S の時間変化(順行と巻き戻し)
いま何が起きている?
ここがポイント
- 拡散は自発的 ── 仕切りを外すと、誰も混ぜなくても粒子は勝手に均一に広がる。
- S = ⟨−(p ln p + (1−p) ln(1−p))⟩ ── 各セルの青の割合 p(赤は 1−p)から乱雑さを数値化し平均。混ざるほど S は最大値 ln2 ≈ 0.69 に近づく。
- ミクロな可逆性 ── 全粒子の速度を正確に逆向きにすれば、弾性壁反射を含む軌道を逆にたどり、S も初期値へ戻る。
- マクロな不可逆性は確率の問題 ── 混合中の全速度が一斉に正確に反転したり、全粒子が偶然また左右に分かれたりする確率は天文学的に小さい。だから自然には「戻らない」。