外乱応答と積分動作
途中で外乱が入ったとき、P制御は偏差が残り、PI制御は目標へ戻る。
2.0
1.5
0.60
6.0
P制御の定常偏差
—
PI制御の定常偏差
—
プラント: 一次系
ẏ = (−y + u + d)(時定数 τ=1, ゲイン K=1)。目標 r = 1。時刻 t_d で入力側に外乱 d = D が加わる。
目標 r=1
P制御 の y(t)
PI制御 の y(t)
外乱 d(t)
外乱とは、制御の外から系に入り込む邪魔(負荷の変化・風・摩擦など)です。ここでは一次系のプラントを閉ループで目標値 r = 1 に保ち、途中の時刻 t_d で入力側にステップ外乱 d = D を加えます。
比例だけの P制御
比例だけの P制御
u = Kp·e と、積分を足した PI制御 u = Kp·e + Ki·∫e dt の応答 y(t) を同じチャートに重ねます。外乱が入った瞬間、両者がどう振る舞い、最終的にどこへ落ち着くかを見比べてください。
いま何が起きている?
ここがポイント
- 比例のみだと外乱ぶんの定常偏差が残る ── P制御の力は偏差 e に比例。外乱を打ち消すには
uを増やす必要があるが、そのためには e が 0 でない値で釣り合うしかない。残る偏差はe_ss = (r − K·D)/(1 + Kp·K)。 - 積分動作が偏差をゼロまで戻す ── PI制御は
∫e dtを溜め込み、e が 0 でない限りuを増やし続ける。釣り合うのは e = 0 のときだけ。外乱の大きさによらず偏差は消える(内部モデル原理:定数外乱を完全に打ち消すには制御器が積分器を内部に持てばよい、の直観)。 - Kp を上げると P の残留偏差は小さくなるが消えはしない ── 分母の
1 + Kp·Kが大きくなるだけ。原理的にゼロにはできない。 - Ki 過大で振動 ── 積分を強くしすぎると行き過ぎ(オーバーシュート)と振動が増える。応答の速さと安定性はトレードオフ。