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円錐の展開図と側面の最短経路

市川中学校(2023年度 第1回 大問4)の過去問を展開図で理解する

📐 問題(市川中 2023年度 第1回 大問4)

底面の半径 2 cm、母線 6 cm の円錐があります。底面の直径の両端を A、B とします。
(1) A から側面に沿って 1 周し A に戻る糸の、最短の長さはいくつですか。
(2) B から側面に沿って 1 周し B に戻る糸の、最短の長さはいくつですか。
(3) (1)(2) の 2 本の糸を同時に巻きつけたとき、2 本で囲まれた色付き部分の面積を求めなさい。高さ 1 cm の正三角形の面積は 0.58 cm² として使ってよい。
cm
ヒント:√ を使って答えてください(例:6√3 や 6√2 など)
下にスクロールして解説とシミュレーションを見ていきましょう
ステップ 1

円錐を「ひらく」と扇形が現れる

展開図の考え方
円錐の側面(斜めの面)を切り開いてひらくと、扇形(おうぎ形)になります。
扇形の半径 = 母線の長さ = 6 cm
扇形の弧の長さ = 底面の円周 = 2π × 2 = 4π cm
扇形の中心角 = (底面半径 ÷ 母線) × 360° = (2 ÷ 6) × 360° = 120°
底面の円周を「弧」として外側に広げると、半径 6 cm・中心角 120° の扇形が完成します。
底面の直径の両端 A・B は、弧の上の点として現れます。
弧の長さ 4π cm は全円弧(12π cm)の 1/3 → 中心角は 360° × 1/3 = 120° と求められます。
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スライダーを動かして円錐→展開図の変化を確認できます
ステップ 2

展開図上の点 A・B の位置

展開図(扇形)の上で点 A・B はどこに現れるでしょうか?

底面の円上で A と B は直径の両端なので、底面の円弧上で 180° 離れた位置にいます。底面の全周(360°)が扇形の弧(120°)に対応するので、底面での 180° は展開図の弧上では 60° の位置関係になります。

扇形を左右対称に配置すると(弧が下方向に開く):
A₁ = 弧の左端(扇形の左辺の先)
A₂ = 弧の右端(扇形の右辺の先)← A₁ と同じ物理点
B = 弧の中央(扇形の真下)

展開図上では、A₁ から B まで 60°、B から A₂ まで 60°(合計 120° = 扇形の中心角)。
頂点 C・A₁・B は互いに 6 cm 離れた正三角形を形成します。同様に C・B・A₂ も正三角形です。
ステップ 3

最短経路 = 展開図上の直線

曲面上を移動するひもの最短経路は、展開図(平面)に広げたときの直線になります。これが「展開図」を使う最大のポイントです。

(1) A から A への最短距離
展開図で A₁ から A₂ を直線で結ぶと、その長さが最短経路。余弦定理:
|A₁A₂|² = 6² + 6² − 2 × 6 × 6 × cos120° = 36 + 36 − 72 × (−½) = 108
|A₁A₂| = √108 = 6√3 cm

(2) B から B への最短距離
B が「1 周して戻る」経路は、展開図を 2 枚並べた状態で B から隣の扇形上の B₂ へ直線を引きます。
B₂ は 120° 隣の扇形の中央弧点(B₂ の扇形角度 = B の角度 + 120°)。余弦定理:
|BB₂|² = 6² + 6² − 2 × 6 × 6 × cos120° = 108
|BB₂| = 6√3 cm(A と同じ!)
ステップ 4

2 本のひもが囲む面積

2 本のひもは展開図上の点 P で交差します。色のついた部分は「2 本のひもと弧で囲まれた部分」です。

考え方:60° のおうぎ形から☆の三角形を 4 個取りのぞく
色のついた部分 = おうぎ形 C-B-A₂(中心角 60°、半径 6)から ☆の三角形 4 個を取りのぞいた形。
☆を 2 個つなげると 高さ 3 cm の正三角形 になります。与えられた「高さ 1 cm の正三角形 = 0.58 cm²」より、高さ 3 cm では 0.58 × 3² = 0.58 × 9 = 5.22 cm²。

計算(π ≈ 3.14 を使用)
おうぎ形(60°, r=6)= 6 × 6 × 3.14 × 1/6 = 18.84 cm²
☆ 4 個 = 5.22 × 2 = 0.58 × 9 × 2 = 10.44 cm²
色のついた部分 = 18.84 − 10.44 = 8.4 cm²

算数解法のポイント

  • 円錐の展開図 = 扇形:母線が半径、底面の円周が弧に対応します。中心角 = (底面半径 ÷ 母線) × 360°。この問題では (2÷6) × 360° = 120°。
  • 曲面上の最短経路 = 展開図上の直線:「1 周する」ひもは展開図で 2 枚並べた扇形上の「同じ点の別の現れ方」を直線で結びます。
  • A・B 両方とも 6√3 cm:余弦定理 |A₁A₂|² = 36+36+36 = 108 → 6√3 cm。B のひもも同じ結果。
  • ☆の三角形でうめる:取りのぞく☆を 2 個つなげると高さ 3 cm の正三角形になり、0.58 × 9 = 5.22 cm²。これが 2 つ分で 10.44 cm²。
  • 色のついた部分 = 60° おうぎ形 − ☆ 4 個:18.84 − 10.44 = 8.4 cm²(正確には 6π − 6√3 ≈ 8.46 cm²)。