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3人の旅人算(速さと比・往復)

大阪星光学院中学校 2022年度 大問4 ― 同じ地点から出発した3人の往復と出会いを、3本の折れ線ダイヤグラムで読み解く

問題

3 人 A・B・C が、P地点から Q地点までをそれぞれ一定の速さで 1往復します(いずれも P → Q → P)。 3 人は P地点を同時にスタートしました。その結果、
・A と B は出発 10分後にすれ違い、
・A と C は出発 12分後にすれ違い、
・B と C は出発 15分後にすれ違いました。
さらに、A が P地点に戻った瞬間、B は P地点の手前 360 m の地点にいました。
A、B、C の速さの比を求めなさい。
PQ間の距離と、C の速さ(分速)を求めなさい。
A が P地点に戻るまでの間に、「A と C の間の距離」と「B と C の間の距離」が等しくなるのは出発から何分後ですか。あてはまる時刻をすべて答えなさい。
m、C=分速 m
下にスクロールして解説とシミュレーションを見ていきましょう
ステップ 1

道路アニメーション — 3人の往復を確かめる

まず3人の動きをアニメーションで確認しましょう。
A(青)B(橙)C(緑)の3人とも P地点から同時に出発し、Q地点で折り返して P地点まで戻ります(1往復)。
速い人ほど先にQへ着いて折り返すので、後ろを進む人と 向かい合って出会い ます。 2人(または3人)が重なった瞬間に出会いのマーカーが点灯します。
0.00 分
A (73.5 m/分)
B (52.5 m/分)
C (31.5 m/分)
ステップ 2

ダイヤグラム — 3本の折れ線と出会い点

ダイヤグラム(進行グラフ) は横軸を時間、縦軸をP地点からの距離として、各人の移動を折れ線で表したグラフです。
3人とも P(0 m)から出発して Q(630 m)で折り返す 「山型」 を描き、2本の折れ線の 交点が「出会い」 を表します。

  • 青 (A):傾きが最も急 → 最も速い(73.5 m/分)。Qに 60/7≈8.57分 で着き、120/7≈17.14分 でPへ戻る。
  • 橙 (B):中程度の傾き → 中間の速さ(52.5 m/分)。Qに 12分、Pへ 24分。
  • 緑 (C):傾きがなだらか → 最も遅い(31.5 m/分)。Qに 20分、Pへ 40分。
スライダーで時間を動かすと、現在時刻の縦線が動きます。交点の色付きの丸 が出会い(10分・12分・15分)を示します。
0.00 分
A-B 出会い (10分)
A-C 出会い (12分)
B-C 出会い (15分)
ステップ 3

解法:⑴ 速さの比は「出会いの時刻」で決まる

考え方:出会うまでに2人が歩いた距離の合計は、いつも PQ の2倍
3人とも P を出発して Q で折り返す往復です。2人が出会うのは、速いほうが Q で折り返して戻り、向かい合う瞬間。 このとき2人が歩いた距離の合計は、ちょうど P→Q→(出会い)と、P→(出会い)PQ × 2 になります。
つまり (2人の速さの和) × (出会いの時刻) = PQ × 2(一定)
速さの和は出会いの時刻に反比例するので:
(A+B) : (A+C) : (B+C) = 1/10 : 1/12 : 1/15
分母をそろえて(×60) = 6 : 5 : 4
和から1人ずつの速さへ
A+B = 6, A+C = 5, B+C = 4 の3式をすべて足すと
2(A+B+C) = 15A+B+C = 7.5
よって A = 7.5 − 4 = 3.5, B = 7.5 − 5 = 2.5, C = 7.5 − 6 = 1.5
整数比に直して A : B : C = 7 : 5 : 3
ダイヤグラムで確認すると、t = 10分(A-B)、t = 12分(A-C)、t = 15分(B-C)でそれぞれの折れ線が交わっています。
ステップ 4

解法:⑵ PQ間の距離と C の速さ

「A が戻ったとき B はあと360 m」を比で読む
A が1往復してP地点に戻るまでに歩く距離は PQ × 2。同じ時間に B が歩く距離は速さの比 7:5 から PQ × 2 × 5/7 = 10/7 × PQ
B はまだP地点に戻りきれておらず、残り(Pまでの距離)は
PQ × 2 − 10/7 × PQ = 4/7 × PQ
これが 360 m なので
4/7 × PQ = 360PQ = 630 m
C の速さを単位つきで出す
A が1往復に歩く距離 630 × 2 = 1260 m、その時刻は出会いの式から
(A+B) × 10 = 1260A+B = 126 m/分、比 7:5 で A = 73.5, B = 52.5 m/分
C は比 3 なので C = 73.5 × 3/7 = 分速 31.5 m
(検算:(A+C)×12 = (73.5+31.5)×12 = 1260, (B+C)×15 = (52.5+31.5)×15 = 1260 ✓)
ステップ 5

解法:⑶ 「AとCの距離 = BとCの距離」になる瞬間

言いかえ:C が線分 AB のまんなか(中点)に来るとき
「A と C の距離」=「B と C の距離」とは、数直線上で C が A と B からちょうど等しい距離にあること。 これは C が A と B の中点に重なる、つまり (Aの位置 + Bの位置) ÷ 2 = Cの位置 という意味です。
① 1回目:A と B が出会う 10分後
A と B が出会うと Aの位置 = Bの位置。その中点も同じ位置なので、Cがどこにいても「AとCの距離」と「BとCの距離」は自動的に等しくなります。
t = 10分:A = B = 525 m、C = 315 m。AとCの距離も BとCの距離も 525 − 315 = 210 m

② 2回目:C が中点に追いつく 40/3 分後
10分の時点で、A はすでに Q で折り返して P方向(−73.5 m/分)に進んでおり、B はまだ Q方向(+52.5 m/分)に進んでいます。 このとき線分ABの中点の速さ(−73.5 + 52.5) ÷ 2 = −10.5 m/分(1分に10.5 m ずつP寄りに下がる)。
10分の時点で中点は 525 m、C は 315 m で、その差は 210 m。中点は下へ 10.5 m/分、C は上へ 31.5 m/分 なので、差は 10.5 + 31.5 = 42 m/分 で縮まります。
210 ÷ 42 = 5分 → 追いつくのは 10 + 5 = 15分? ではありません。Aは 120/7 ≈ 17.14分、Bは 12分で折り返すため、この一定速度が続くのは B が折り返す 12分まで。 12分以降は B もP方向に向き、中点の速さが変わります。場合分けして式を立て直すと、解は B 折り返し後の区間にあり
t = 40/3 分(=13分20秒)
t = 40/3 分:A = 280 m, B = 560 m, C = 420 m。中点 = (280 + 560) ÷ 2 = 420 m = C ✓(AとC・BとCの距離はどちらも 140 m)
A が P地点に戻るのは 120/7 ≈ 17.14分。その手前で「等距離」になるのは 10分後40/3分後(≈13.33分後)2回です。 下のダイヤグラムでは、この2つの時刻で Cがちょうど線分ABの中点(破線)に重なる 様子を示しています。
0.00 分
線分ABの中点
C
ステップ 6

A が戻るまで(0〜120/7分)のすべての出会い・等距離

A が P地点に戻る 120/7 ≈ 17.14分 までに起こる「2人の出会い」と「⑶の等距離」をすべて整理すると以下の通りです。取りこぼしはありません。
イベント 時刻(分後) Pからの距離 備考
A と B が出会う10 分後525 m(A+B)×10 = PQ×2、同時に⑶の1回目
A と C が出会う12 分後378 m(A+C)×12 = PQ×2
⑶ AとCの距離 = BとCの距離(2回目)40/3 ≈ 13.33 分後420 mC が線分ABの中点に一致
B と C が出会う15 分後472.5 m(B+C)×15 = PQ×2
A が P地点に戻る120/7 ≈ 17.14 分後0 m(P地点)このときBは P から 360 m の地点(Pまであと360 m)にいる ← ⑵の条件

※ ⑶の1回目(10分後)は「A と B の出会い」と同じ瞬間です。AとBが重なれば、Cから見た2人までの距離は当然等しくなります。

算数解法のポイント

  • 出会いの「速さの和×時刻 = 一定」を比に直す:往復で向かい合う2人は、出会うまでに合計で PQ の2倍を歩きます。和は時刻に反比例するので (A+B):(A+C):(B+C) = 1/10:1/12:1/15。3式を足して1人ずつの速さ 7:5:3 を取り出します。
  • 「あと360 m」を速さの比でとらえる:Aが1往復する間にBは 10/7×PQ 進み、残りは 4/7×PQ = 360。ここから PQ=630 m、単位をそろえて C=分速31.5 m
  • 「2つの距離が等しい」=「中点に重なる」と読みかえる:⑶は C が線分ABの中点に来る時刻。A・Bが出会う 10分(中点=2人の位置)と、中点とCの距離を出会い算で詰める 40/3分 の2回。「すべて答える」問題は、ダイヤグラムで区間を区切って取りこぼしを防ぎます。