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ニュートン算(行列の消滅)
開成中学校 2011年度 第2問 — 3つの条件から行列の人数と消滅時間を求める
🎒 問題(開成中学校 2011年度 第2問)
ある動物園では開門前にすでに長い行列ができており、その後も一定の割合で人が行列に加わります。開門と同時に券売機を 5 台使うと 20 分で行列がなくなり、6 台では 15 分でなくなります。さらに、開門時の行列が 50 人少なかったとすると、7 台で 10 分でなくなるといいます。
問題文にある「行列の人数」「加わる割合」「券売機1台の処理速度」はどれも与えられていません。次の3つの条件だけから導きます。
- 条件①券売機 5 台 → 20 分で行列がなくなる(開門時の行列は N 人)
- 条件②券売機 6 台 → 15 分で行列がなくなる(開門時の行列は N 人)
- 条件③もし行列が 50 人少なければ、7 台 → 10 分で行列がなくなる(開門時の行列は N−50 人)
問い(1):開門のとき、行列は何人いますか?(= N)
問い(2):券売機を 10 台使うと、何分で行列がなくなりますか?
↓ 下にスクロールして解説とシミュレーションを見ていきましょう
ステップ 1
3つの条件を「式」にする
わからない量に文字を置きます。
N=開門のときの行列(人)、a=毎分 行列に加わる人数(人/分)、b=券売機1台が毎分処理する人数(人/分)。
開門してから行列が消えるまでの間に「最初にいた人+あとから来た人」を全員さばく、と考えると次の関係が成り立ちます。
この形に3つの条件を当てはめると、3本の式が立ちます。下のグラフは、3条件が「縦軸=行列人数、横軸=時間」のどの直線・どの点に対応するかを示しています(このときの a・b・N はまだ未知で、ステップ2で連立して求めます)。
N=開門のときの行列(人)、a=毎分 行列に加わる人数(人/分)、b=券売機1台が毎分処理する人数(人/分)。
開門してから行列が消えるまでの間に「最初にいた人+あとから来た人」を全員さばく、と考えると次の関係が成り立ちます。
(開門時の人数)+(到着の合計)=(台数)×(1台の処理量 b)×(時間)この形に3つの条件を当てはめると、3本の式が立ちます。下のグラフは、3条件が「縦軸=行列人数、横軸=時間」のどの直線・どの点に対応するかを示しています(このときの a・b・N はまだ未知で、ステップ2で連立して求めます)。
| 条件 | 台数 | 時間 | 開門時の行列 | 立てた式 |
|---|---|---|---|---|
| 条件① | 5 台 | 20 分 | N | N + 20a = 5×b×20 = 100b |
| 条件② | 6 台 | 15 分 | N | N + 15a = 6×b×15 = 90b |
| 条件③ | 7 台 | 10 分 | N − 50 | (N−50) + 10a = 7×b×10 = 70b |
ステップ 2
3本の式を連立して a・b・N を求める
未知数は a・b・N の3つ、式も3本。差をとって1つずつ文字を消していきます。
- ①から②を引く(N が消える):
(N+20a) − (N+15a) = 100b − 90b→5a = 10b→ a = 2b - ②から③を引く(N が消える):
(N+15a) − (N−50+10a) = 90b − 70b→5a + 50 = 20b - そこへ a = 2b を代入:
10b + 50 = 20b→50 = 10b→ b = 5(1台は毎分5人) - a = 2b より a = 10(毎分10人が行列に加わる)
- ①に代入して N を求める:
N = 100b − 20a = 100×5 − 20×10 = 500 − 200→ N = 300
検算:②に入れると
③に入れると
300 + 15×10 = 450、90×5 = 450 で一致。③に入れると
(300−50) + 10×10 = 350、70×5 = 350 で一致。3条件すべてを満たします。
a(毎分の到着)
10 人/分
b(1台の処理)
5 人/分
N(開門時の行列)
300 人
ステップ 3
求めた a・b で、台数を変えると消滅時間はどう変わる?
ここからは導いた値 a=10、b=5、N=300 を使います。
券売機が t 台なら毎分の処理は
行列が消える時間は
正味の減少が 0 以下になる台数(2 台=処理10人/分で到着とつり合う)では、行列は永遠に消えません。
券売機が t 台なら毎分の処理は
t×b 人、到着は a 人なので、正味の減少 = t×b − a。行列が消える時間は
N ÷(正味の減少) です。スライダーを動かして確かめましょう。正味の減少が 0 以下になる台数(2 台=処理10人/分で到着とつり合う)では、行列は永遠に消えません。
5 台
処理量 t×b(毎分)
25 人/分
到着 a(毎分)
10 人/分
正味の減少(毎分)
15 人/分
行列消滅まで
20.0 分
ステップ 4
問い(2):10 台使うと何分で行列がなくなる?
10 台のとき:
再生ボタンを押すと、5台(20分)・6台(15分)・10台(7.5分)の行列の減り方が同時に確認できます。
点線の「条件③ 7台・初期250人」は、開門時が 50 人少ない場合(N−50=250)に 7 台で 10 分ちょうどになる様子です。
処理量 = 10 × b = 10 × 5 = 50 人/分正味の減少 = 50 − a = 50 − 10 = 40 人/分消滅時間 = N ÷ 40 = 300 ÷ 40 = 7.5 分再生ボタンを押すと、5台(20分)・6台(15分)・10台(7.5分)の行列の減り方が同時に確認できます。
点線の「条件③ 7台・初期250人」は、開門時が 50 人少ない場合(N−50=250)に 7 台で 10 分ちょうどになる様子です。
0.0 分
※ 5・6・10 台+条件③(7台・250人) を表示
5 台 — 消滅
20.0 分
6 台 — 消滅
15.0 分
10 台 — 消滅
7.5 分
答え:問い(1)=300 人、問い(2)=7.5 分(7 分 30 秒)。
ニュートン算のポイント
- 未知数は「初期 N・到着 a・処理 b」の3つ:はじめの行列だけでなく、加わる割合 a も処理速度 b も問題は教えてくれません。だから条件も3つ必要で、3本の式を連立して初めて値が決まります。
- 「初期+到着の合計=台数×b×時間」が式の骨格:消える瞬間までに来た人を全員さばく、という関係から各条件の式を作ります。
- 差をとって文字を消す:初期人数 N が同じ条件①②の差から
a=2b、条件②③の差から b が出ます。これが連立の山場です。 - 条件③の「50人少なければ」は別の初期人数:右辺の台数×時間だけ見ると見落としますが、左辺の開門時人数が N−50 になっている点が3本目の式を生みます。
- 到着 a ≥ 処理 t×b のとき行列は消えない:正味の減少が 0 以下(この問題では 2 台=処理10人/分)だと行列は減らず、増え続けます。